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1点集中型のスキルを持つ子に伝えたいこと



■1点集中型のスキルを持つ子に伝えたいこと


奈良県生駒市にて児童発達支援・放課後等デイサービス・就労継続支援・相談支援事業所を運営するHIRAKU Groupの代表をしている中岡です。


昨日は放課後等デイサービスCOACHを利用する男の子から下記のような相談を受けました。


「自分は社会の一分野だけ教科書を一瞬で覚えるくらいの暗記力と知識量があるが、計算だったり筆記だったり他のことが苦手だけどどうすれば良いだろうか?」


この質問に対して、

「自分の得意な分野を突き詰めたら良い」

「他にも同じように得意な分野が見つかるはずだから、新しい自分に出会うための行動をしてみよう」

という答えを返しました。



■一分野に特化することがもたらす恩恵


アスペルガーやADHDの傾向のある方の多くは、得意分野不得意分野の差が激しくなります。

ただ、それが悪いことかというと全くそんなことはなく、社会に出ると「満遍なく色々なことができる」人も、「何かに飛び抜けて特化した」人もどちらも求められます。


少し話を脱線しますが、私が新卒で入社した会社では「身分相応一番主義」という教えがありました。身分相応というのはマイナスなキーワードではなく、「自分の現在のキャパシティに応じて一番を取れる市場や分野を見つけて、自分の能力開発やリソースをそこの市場絞り込みなさい」という意味です。


よく「日本で一番高い山は富士山だが二番目は皆知らない」という例え話が出ますが、どんなに狭い領域でも「自分が一番だ」という領域を持っている方が、その能力を求める人や会社に出会いやすくなります。


少し例え話を出すと、ケーキ屋さんでは漠然と「ケーキ全般がウリです」というよりも、「チョコレートケーキなら奈良市で一番美味しい」「ザッハトルテなら関西で一番美味しい」など「この分野や市場なら自分が一番」と宣言できるところまで領域を絞り込んだ方が、チョコレートケーキが好きな方にとっては魅力的なお店です。


研究者なら「歴史全般が得意です」という方より「1900年前半世界史のプロフェッショナル」の方が、「1900年前半について知りたい方」にとっては頼りがいがあるわけです。


実際社会に出てみると、こんな感じに専門特化していることが武器になることは多いです。そして、サービスが多様化された現在では、苦手なこと・できないことはほとんどが業務委託や外注をしてしまうことができます。


だからこそ「得意分野があるならそれを突き詰めれば良い」とお話しさせてもらいました。


ただ、学校教育は「専門特化する」ことより「満遍なくスキルを伸ばす」ことが重要視されています。発達に難を抱える子供たちにとって、途中で挫折してしまいたくなる瞬間は多々あるはずです。


我々が学習特化の放課後等デイサービスを運営しているのは、そうした子供たちが自分の得意を活かして活躍できるフィールドに巣立って欲しい。それまでに立ちはだかる学習の苦手分野を一緒に乗り越えていきたいという想いからです。


■実は得意分野は一分野だけじゃないかも


そしてもう一つお伝えしたのは、「実は今見つかってる得意分野が一つなだけで、実はさらにもういくつか得意分野が見つかったっておかしくない」ということです。


相談をしてくれた子は今でこそ「社会の一分野」しか得意じゃなかったわけですが、これから色々なものに出会う中で、実は「遺伝子工学がめちゃくちゃ得意」だったり「服飾デザインで異能を発揮する」なんてこともあるわけです。


ゲームや漫画みたいに得意ステータスが設定上、一つに限定されているわけではないです。得意分野が2個3個見つかることもあるはずです。


そうした得意分野に早く出会うためには自分から新しい体験や知識に出会うための行動をする必要があります。


私の場合、休みの日は図書館で気の向くまま本を読んでみたり、あえて毎回違うルートを通って散歩をしたりしています。


HIRAKU Groupとしても「新しい得意」が発見できるような体験をどんどん詰ませてあげられるような療育をしてきたいと考えています。


お子様が何か興味を持つことがあれば、保護者様もぜひ気軽に挑戦させてみてあげてください。





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